2020年(令和2年)のダイビング事故統計

2020年(令和2年)のダイビング事故の統計

2021年6月に海上保安庁が発行した「令和2年 海難の現況と対策 ~大切な命を守るために~」より、2020年のスクーバダイビングでの事故統計を紹介します。

過去10年のスクーバダイビング事故者数

2020年(令和2年)のダイビング事故者数は36人で、過去10年では2番目に少なく、事故者数は減少傾向にあります。とはいえ、死者・行方不明者数は17人と前年より増加。全事故者数に対する死者・行方不明者の割合は、過去10年で最も多い(47%)という結果になっています。

事故内容別の事故者数(令和2年)
事故内容別の事故者数では「溺水」が最も多く26人(72%)。ダイビング事故の多くは水面で起こっていると言われており、エントリー・エキジット周辺で特に注意が必要なことをうかがわせます。次いで多いのが「病気」の7人。事故者における中高年が占める割合の高さにも関連していると考えられます。
年齢層別の事故者数(令和2年)
年齢層別の事故者数では、50歳代が最も多く12人(33%)。次いで60歳代以上が9人(25%)となっており、合わせると過半数を超えています。40歳代まで含めれば、事故者における中高年が占める割合は、実に72%にも及びます。日頃の体調管理や持病のケアをきちんとし、無理のないダイビングをすることが大切です。
過去5年間の潜水経験(本数)別の事故者数
また、過去5年間の潜水経験(本数)別の事故者数を見ると、「初めて」や「10本未満」といった、いわゆる初心者の事故が約3割。一方で、100本以上の経験を持つダイバーの事故者数も約3割を占めており、経験のあるダイバーも油断は禁物といえます。

▼海上保安庁「令和2年 海難の現況と対策 ~大切な命を守るために~」 https://www6.kaiho.mlit.go.jp/info/keihatsu/20210630_state_measure01.pdf

新型コロナウイルス感染症拡大の影響でなかなかダイビングに行けず、ブランクがあいてしまっている人も多いかと思います。久しぶりにダイビングを楽しむ際は、リフレッシュダイビングなどで改めて安全にダイビングを楽しむために必要な知識やスキルをしっかりと再確認し、安全管理に高い意識を持って楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人

高校卒業時にダイビングを始め、大学生のときにインストラクターに。大学卒業後、(株)水中造形センターに入社し、『マリンダイビング』『海と島の旅』『ダイビングスクール』各誌の副編集長を務める。2010年からは世界最大のダイビング教育機関PADI日本オフィスでマーケティング・広報・ウェブコンサルティングなどを担当。2019年からは再び(株)水中造形センターにて、WEB編集部・部長/マリンダイビングWEB編集長に。現在はスナイプバレー合同会社の代表として、スキューバダイビングの普及・啓蒙に加え、海の環境保全活動にも努めています。

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