2021年(令和3年)夏季(7-8月)のダイビング事故発生状況

2021年(令和3年)夏季(7-8月)のダイビング事故発生状況

海上保安庁より、2021年(令和3年)の「夏季(7-8月)のマリンレジャー活動に伴う船舶事故・人身事故発生状況(速報値)」が出されました。

2021年7-8月のマリンレジャー活動における人身事故者数は205名(前年比17人減少)で、死者・行方不明者数は66名(前年比9人減少)。いずれも前年(2020年)同時期より減っていますが、スクーバダイビングについては人身事故者数9名となっており、前年同時期の人身事故者数5名から増えています。

マリンレジャー活動に伴う人身事故者数

⇒海上保安庁「夏季(7-8月)のマリンレジャー活動に伴う船舶事故・人身事故発生状況(速報値)」

報道のあった事故としては、以下のようなものがあります。

●2021年7月23日-高知県室戸市
高知県室戸市の新村漁港近くでダイビングをしていた5人グループのうち、30~50代の男女4人が行方不明に。通報から約2時間後、捜索中のヘリコプターが海面で浮いている4人を発見し、ボートで救助。ケガなどはなかった。

●2021年7月26日-高知県大月町柏島
高知県大月町柏島の沖合約20mで体験ダイビングをしていた女性(56歳)が溺れ、約1時間半後に死亡が確認された。水深3~4mの海底に女性を連れて先に潜ったインストラクターが、船上の夫を迎えに浮上。女性の異変に気づいて船に引き上げたものの、救急搬送された時には心肺停止の状態だったという。

●2021年8月2日-沖縄県石垣島
沖縄県石垣市伊原間の船越漁港の沖合約3.4km付近で、ダイビングをしていた男性(42歳)がダイビング後に心肺停止状態となり、搬送先の病院で死亡が確認された。潜った数分後、水深8m付近で何らかのトラブルが発生。異変に気づいたダイビングスタッフが一緒に海面まで上昇したが、すでに意識不明の状態だったという。

●2021年8月13日-沖縄県座間味島
沖縄県座間味島沖のダイビングスポット「知志」で、友人とダイビングツアーに参加していた男性(46歳)がダイビング終了後に船上で意識不明となり、約1時間後に搬送先の島内の診療所で死亡が確認された。船に1人で上がれなくなり、直後に意識不明に陥ったという。

●2021年8月14日―静岡県沼津市平沢
静岡県沼津市西浦平沢のらららサンビーチ付近でダイビングの講習を受けていた女性(47歳)が溺れているのを発見。女性は意識不明の重体で緊急搬送された。

目立つのが40代の事故者が多いこと。先日紹介した2020年(令和2年)のダイビング事故統計では50代、60代の事故者の多さが目立ちましたが、やはり中高年ダイバーにはより慎重なダイビングが求められます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、久しぶりにダイビングをするブランクダイバーや、普段は海外などのリゾートで潜っていて日本の海に慣れていないダイバーも多いかと思います。自分の技量やダイビングへの心理的なストレス、当日の体調などもきちんと見直し、無理のないダイビングを心がけましょう。

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この記事を書いた人

高校卒業時にダイビングを始め、大学生のときにインストラクターに。大学卒業後、(株)水中造形センターに入社し、『マリンダイビング』『海と島の旅』『ダイビングスクール』各誌の副編集長を務める。2010年からは世界最大のダイビング教育機関PADI日本オフィスでマーケティング・広報・ウェブコンサルティングなどを担当。2019年からは再び(株)水中造形センターにて、WEB編集部・部長/マリンダイビングWEB編集長に。現在はスナイプバレー合同会社の代表として、スキューバダイビングの普及・啓蒙に加え、海の環境保全活動にも努めています。

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